「社会福祉士（ソーシャルワーカー）って何やっている人ですか？」という質問をされることが度々あります。社会福祉士及び介護福祉士法には「専門的知識及び技術をもって（省略）～連携及び調整その他の援助を行うことを業とする者」と明記されています。
　私は22歳の頃、世間ではニートと呼ばれる生活を送っており、映画パッチアダムスをみて「人を救える仕事がしたい」と思いながら何もできない日々、自信がないために社会との関係を切り、夜遅くまで起きて、昼間はずっと寝ているというサイクルを繰り返していました。その結果「生きること、働くこと」より「どうやって死ぬか」を考えるようになり、人生に希望はなく絶望しかありませんでした。
　その生活から抜け出せたのは、自分を心配した母から紹介された電気・設備工事アルバイトで出会った人達でした。現場で出会う、高齢者の方や両親のいない子供たちが自分と話をして「楽しかった」「あんたは優しいね」と言ってくれ「自分も価値がある人間なんだ」と思うことができました。
　その一方で虐待の現場に遭遇した時に、「人を救いたい」をしたいと思いながら、結局何もできない自分に悔しさ、無力感がありました。そして人を救うためには「思い」だけではだめ「知識・技術」がないと救えないと思い、社会福祉士を目指しました。
　社会福祉士は「困った時に気軽に相談できて、人と人を繋げる人」と私は解釈しています。そしてどんな状況であっても「人生は変えられる」と思っています。
　たった一度きりの人生、自分らしく最後まで楽しく生きられるよう悩んだ時は、一緒に歩んで行きましょう。

　私は5年間の社会人生活を経て理学療法士養成校に入学し、30歳目前の平成18年に理学療法士デビューを果たしました。当時は病院で、急性期病院で働くことが一種のステータスであり、自身もその流れに抗うことなく急性期病院に就職しました。
　それから現在に至るまでに医療を取り巻く環境は大きな変貌を遂げ、これからは地域包括ケアシステム構築の名のもとに、疾病を抱えても、自宅等の住み慣れた生活の場で療養し、自分らしい生活を続けられるためには、地域における医療・介護の関係機関が連携して、包括的かつ継続的な在宅医療・介護の提供を行うことが必要です。
　そのような実情を踏まえ、自身の歩んできた理学療法士人生を改めて振り返った時に、「自身が関わってきた患者さんは、住み慣れた場所で幸せな人生を送れているのだろうか？」という思いがよぎりました。特に脳疾患の患者さんにおいては高次脳機能障害という目に見えない様々な障害を呈していることが多く、それらが社会に十分に認知されていない現状の中では誤解や軋轢を生ずることで社会的に孤立してしまい、十分なサービスの提供を受けられていないのではないかと考えるようになりました。
　そこで私たちは病院で得た経験、知見を生かして高次脳機能障害に対応したデイサービスを開設し、様々な疾患の方が共存できることをこの場所から発信していくことを決意しました。
　私たちは関係機関と連携し、多職種協働により在宅医療・介護を一体的に提供できる体制の一翼を担えるように努力し、「再び自分の人生を取り戻したい、または社会復帰したい」と願う人のRestart（リスタート）の場になるように寄り添って参ります。

　脳卒中リハビリテーション看護認定看護師として、バイタルサインの測定だけでなく早期に異常に気付いて重篤化することを回避、予防行動がとれる言葉がけをおこない弱くなっている血管のダメージの悪化から守れるように指導・相談対応します。
　本人もなかなか気付くことができない高次脳機能障害に向き合い、本人・家族と共に少しでも生活しやすい環境の調整を考えていきます。
　障害によって失われてしまった、自分の居場所や笑顔を取り戻すためにお手伝いをすることで「Re:Smile」となることを目標としていきます。